2026.08.25
ナフサ不足懸念が後退――看板印刷の資材価格・納期への影響を考える

2026年春、中東情勢の緊迫化を背景として、国内の製造業では「ナフサ不足」が大きな懸念材料となりました。ナフサは石油化学製品の重要な原料であり、プラスチックや合成樹脂をはじめ、私たちの身の回りにあるさまざまな製品の製造に関係しています。
看板業界も決して無関係ではありません。看板印刷で使用する塩ビ製のインクジェットメディアやラミネートフィルム、アルミ複合板の樹脂部分、アクリル板、接着剤など、多くの資材が石油化学産業とつながっているためです。
では、2026年8月現在、ナフサをめぐる状況はどうなっているのでしょうか。
ナフサとは?看板印刷にも関係する重要な原料
ナフサとは、原油を精製する過程で得られる石油製品のひとつです。ナフサを分解することでエチレンやプロピレンなどがつくられ、そこからポリエチレン、塩化ビニルをはじめとするさまざまな化学製品へ加工されていきます。
一見すると「石油」と「看板」はあまり関係がないように感じるかもしれません。しかし、現在の看板製作では多くの樹脂製品が使用されています。
例えば、当店で人気のアルミ複合板は、アルミと樹脂を組み合わせた三層構造の板材です。また、当店ではアルミ複合板にインクジェット出力したメディアを貼り、必要に応じてラミネートを組み合わせて看板を製作しています。こうした看板用メディアやラミネートにも樹脂素材が使用されています。
そのため、ナフサの供給状況は、回り回って看板資材の価格や供給量にも影響する可能性があります。
2026年春に高まった「ナフサ不足」の懸念
2026年春には中東情勢の緊迫化により、ナフサをはじめとする石油関連製品の輸入や物流への影響が懸念されました。
実際、一部の建材メーカーなどでは原材料の調達難や供給停止、価格改定といった動きも発生しています。看板業界においても、原材料そのものだけでなく、樹脂、フィルム、接着剤、インク、物流費など幅広いコストへの波及を考える必要がある状況となりました。
当店でも2026年8月時点で、中東情勢による原材料価格や輸送コストの変動を踏まえ、商品価格が変更となる可能性についてご案内しています。
8月現在、ナフサ不足への懸念は後退
その後、日本国内では調達先の多角化が進み、当初想定されていた深刻なナフサ不足への懸念は後退しています。
資源エネルギー庁によると、中東以外からのナフサ輸入は、中東情勢が緊迫化する前の月45万kl程度から、2026年5月には135万kl超まで増加しました。米国やアルジェリア、ペルーなどからの輸入を拡大するとともに、国内精製や化学製品の在庫も活用することで、ナフサ由来の化学製品については年を越えて供給を継続できる見込みとされています。
春頃に懸念されていた「原料が足りず、さまざまな製品が作れなくなる」という最悪のシナリオからは、ひとまず遠ざかりつつあると考えられます。
「不足懸念の後退=すぐ値下がり」ではありません
ここで注意したいのが、ナフサの供給懸念が後退したからといって、看板資材の価格がすぐ以前の水準へ戻るとは限らない点です。
原材料価格が実際の商品価格へ反映されるまでには時間差があります。また、メーカーや流通各社がすでに高い価格で仕入れた在庫、海外からの輸送費、為替相場、人件費など、看板資材の価格を決める要素はナフサだけではありません。
つまり、
「供給できるかどうか」と「安く仕入れられるかどうか」は別の問題
として考える必要があります。
今後、中東情勢や原油価格が再び大きく変動すれば、資材価格や納期に影響が出る可能性もあります。そのため、当面は市況を見ながら柔軟に対応していくことが重要です。
看板を発注するときは「最新の価格」と「納期」を確認
こうした原材料市況が変動する時期には、WEBサイトに掲載されている価格だけで判断するのではなく、実際に発注するタイミングで見積もりを確認することをおすすめします。
特に、大型のアルミ複合板看板や複数枚をまとめて製作する案件、オープン日やイベント日など納期が決まっている案件では、できるだけ早めに看板製作会社へ相談しておくと安心です。
「とまとのプレート屋さん」では、アルミ複合板看板をはじめ、アクリル看板、ステンレスプレート看板、ホワイトボード看板など、用途に合わせた各種プレート看板を製作しています。小型プレートから大型看板まで対応しており、発注前のデータチェックも無料です。
原材料市況が変化している時期だからこそ、価格だけではなく、用途・設置場所・必要な耐久性まで含めて適切な仕様を選ぶことが大切です。
看板印刷やアルミ複合板看板をご検討中の方は、サイズや仕様がまだ決まっていない段階でもお気軽にご相談ください。